戦争と平和
百田尚樹 著
戦争と平和というお題
平和の定義を正確に言える人はいない。なぜなら、平和の定義が曖昧だから。
戦争と戦争の間という話もある。私は残念ながら、平和とは、戦争をしていない状態でしかないと考えている。
「非武装中立」という言葉が日本にはあるが、これはあり得ない。非武装で国が守れるはずがない。歴史が証明している。
百田さんは、ルクセンブルクの例を出している。
ルクセンブルクは、「非武装中立」を高らかに宣言した。
どうなったか?
第一次大戦で、ドイツに蹂躙された。その後ルクセンブルクはどうしたか?
また、「非武装中立」を宣言した。
どうなったか?
第二次大戦で、ドイツに蹂躙された。学習しろよ!と突っ込みたくなるが、日本は他国のことを言える状態ではないΣ( ̄ロ ̄lll)
そして、ルクセンブルクは、軍隊を作り、NATO(北大西洋条約機構)設立国12カ国の一つとなった。
つまり、私が歴史から学ぶこととしては、日本が変わるにはもう一度戦争で負けなければ、変われないのではないかという事だ。
スイスはどうか? 永世中立国を宣言している。スイスは「武装中立」であり、NATOにも加盟していない。
「徴兵制(男子は強制、女子は任意)」がある。兵役(男子は強制、女子は任意)が終わっても男子は、家庭に銃を貸与されて、有事の時は戦争に参加しなければならない。
国際情勢を踏まえて、2013年に徴兵制の是非を国民投票で問うたところ、国民は「徴兵制の継続」を選んだ。
良くわかっていると感服する。国民に対しての教育が行き届いているといえる。スイス政府は、国民1家庭に1冊「国民防衛」という赤い本を配布している。
私はまだ読んでいないが、レビューから分かるのは、プロパガンダにも気をつけろとか、自分たちで守らなければ、中立は保てないという至極まっとうな事が書かれているそうだ。
百田尚樹さんを知ったのは、「永遠の0」だった。すごい本だと思った。数日で読んでしまったことを覚えている。
私の祖父(母の父)も戦争で亡くなっている。ソロモン諸島だった。そして、祖父の弟さんが祖母と再婚している。
物語とぴったりと重なった。きっとそういう家庭が少なくなかったのだろうと思っている。
10年かけて450万部売れたというのは、興味深い話だった。なぜ、大東亜戦争を題材にしたのかも書かれてあった。
他の本の書き直しという内容もあったが、全体的には楽しめた。